MacRuby には CRuby や Cocoa API に存在しない、独自のメソッドやクラスが存在します。ここでは、独自メソッドについて説明します。
独自メソッド
String#transform
文字列を大文字や小文字、または別の言語の文字列に変形することができます。ICU の Transforms という機能を用いて実装されています。
- transform(pattern) -> String
- [PARAM] pattern:
- どのような文字列に変換するかを指定します。
- [RETURN]
- 変換結果の文字列を返します。
- [PARAM] pattern:
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|
String#pointer
文字列から Pointer クラスのオブジェクトを返します。オブジェクトは unsigned char*
の変数に対応します。Cocoa API では String オブジェクトではなく、文字列のポインタ変数を受け付けるメソッドがあります。それらのメソッドに渡すためのデータを用意するために使用します。
- pinter -> Pointer
- [RETURN]
- Pointer オブジェクトを返します。
- [RETURN]
1 2 3 4 5 6 |
|
String#to_data
文字列から NSData クラスのオブジェクトを生成し返します。
- to_data -> NSData
- [RETURN]
- NSData オブジェクトを返します。
- [RETURN]
1 2 3 4 |
|
NSData#to_str
文字列を伴う NSData オブジェクトから、文字列を返します。
- to_str -> String
- [RETURN]
- 文字列を返します。
- [RETURN]
1 2 3 4 |
|
Kernel.framework
フレームワークをロードします。
- framework -> bool
- [RETURN]
- フレームワークのロードに成功すれば true、失敗した場合には false を返します。
- [RETURN]
1 2 |
|
Kernel.load_bridge_support_file
Bridge Support ファイルをロードします。
- load_bridge_support_file(filename) -> self
1 2 |
|
Kernel.load_plist
plist 形式の文字列を Ruby オブジェクトに変換し返します。
- load_plist(string) -> Object
- [PARAM] string:
- plist データの文字列を渡します。
- [RETURN]
- オブジェクトを返します。
- [PARAM] string:
1 2 3 4 5 6 7 |
|
Object#to_plist
plist 形式に変換したデータを文字列で返します。
- to_plist -> String
- [RETURN]
- 文字列を返します。
- [RETURN]
1 2 3 4 5 6 |
|
Object#methods
オブジェクトに対して呼び出せるメソッド名の一覧を返します。CRuby も Object#methods がありますが、MacRuby では objc_methods
引数が追加されています。
- methods(include_inherited = true, objc_methods = false) -> [Symbol]
- [PARAM] include_inherited:
- 引数が false の時は Object#singleton_methods(false) と同じになります。
- [PARAM] objc_methods:
- 引数が true の時は Ruby のメソッドのほかに Cocoa API の一覧も返します。
- [RETURN]
- メソッド名の一覧を返します。
- [PARAM] include_inherited:
1 2 |
|
Range#relative_to
max
で指定した Range 範囲のオブジェクトを返します。負の範囲に対して実行した場合には、max
との相対的な範囲となります。
- relative_to(max) -> Range
- [PARAM] max:
- Range の範囲の最大値を指定します。
- [RETURN]
- 新しい Range オブジェクトを返します。
- [PARAM] max:
1 2 3 4 |
|
BasicSocket#sendfile
ソケットを介してファイルのデータを sendfile(2) を用いて送信します。
- sendfile(file, offset, length) -> Integer
- [PARAM] file:
- 送信するファイルのパス、または IO オブジェクトを渡します。
- [PARAM] offset:
- 送信を開始するデータの位置を指定します。
- [PARAM] length:
- 送信するデータサイズを指定します。
- [RETURN]
- 送信したデータサイズを返します。
- [PARAM] file:
1 2 3 4 5 6 7 |
|
Fixnum#popcnt
数値を 2 進数表記した際に、1 となるビットの数を返します。
- popcnt -> Fixnum
1 2 3 4 5 6 7 8 |
|